ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
カンタータ第49番 われは行きて汝をこがれ求む
BWV49 Ich geh und suche mit Verlangen
歌詞:作詞者不詳、コラールはフィリップ・ニコライ(Philipp Nicolai)
初演:1726/11/3ライプツィヒ、三位一体後第20日曜日
編成:独唱(ソプラノ、バリトン)、独奏オルガン、Oboe d’Amore、
2Violin、Viola、Violoncello piccolo、通奏低音
2016年上越公演、佐渡公演演奏者:
ソプラノ:長谷川みちる バリトン:長谷川徹 オーボエダモーレ:藤原 満
ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子 ヴィオラ:渡辺みほ
チェロ:上野敦子 チェンバロ:笠原恒則
三位一体後第20主日(だいたい秋)のためのカンタータ。
バスとソプラノソリのためのカンタータはDialogue cantata
(対話カンタータ)と呼ばれる。カンタータ第58番、第152番、
第32番、第57番が同じ形式。
バスがイエス、ソプラノは魂を表し、対話劇のように進行する。
自筆譜スコアはオルガン以外ホ長調、オルガンはニ長調で記譜されており
低ピッチの弦管と高ピッチのオルガンの組み合わせである。また、
第1曲シンフォニアはオーボエダモーレ協奏曲からの転用と推測される。
以上を踏まえ、今回は原曲のホ長調をニ長調に移調し、さらに
オルガン独奏パートをオーボエダモーレとヴァイオリンに振り分けた
編曲版を用いる。またチェロピッコロはチェロで演奏する。
詳細は別項で解説。
第1曲 シンフォニア(器楽のみ)
今回はオルガンソロをオーボエダモーレで演奏する。チェンバロ
協奏曲BWV1053第3楽章として残っている幻のオーボエダモーレ
協奏曲から転用された可能性が高い。BWV1053からは教会
カンタータ第169番にも転用されている。
第2曲 バスアリア
バス(イエス)が花嫁を探し求めるアリア。
今回はオルガンソロをヴァイオリンで演奏する
第3曲 ソプラノ、バスレチタティーヴォ
イエスと魂が出会いの喜びを歌う。
第4曲 ソプラノアリア
ソプラノ(魂)がイエスに祝福される喜びを歌う。
ソプラノ、チェロピッコロ、オーボエダモーレの重奏を
通奏低音が支える。今回はチェロピッコロをチェロで演奏する。
第5曲 ソプラノ、バスの対話レチタティーヴォ
イエスと魂が結婚の約束を歌う。
第6曲 独唱バスと合唱ソプラノ
イエスと魂による喜びの重唱。ソプラノはコラール(賛美歌)を
歌う。今回はオルガンソロをオーボエダモーレで演奏する。
もちろん教会のミサのために作られた宗教音楽ですが、歌詞と
音楽そのままでもほとんどラブソングです。
和文対訳(川端純四郎氏訳) 川端氏Webサイトへ
楽譜:自筆スコア(ベルリン国立図書館)、旧バッハ全集X、新バッハ全集I/25